June 15, 2017

形でるよう


罪悪感の欠片も無い琉生を促して、三人は店を出た。

「寺川君!明日のシフトは大丈夫?」
「はい!なるべく早めに入ります。」
「良かった。頼むね。」

帰りがけに声を掛けて来た居酒屋の店長に向けて、琉生は満面の笑顔を向けた。
二人の兄は、琉生を背中にするこの上なく慇懃に対応した。

「上の兄です。琉生はお役にたっ

薄い胸の突起を弾かれただけで、甘い吐息が出る。
淡い茂みの下から勃ちあがったささやかな自らの昂まりに、琉生自身が戸惑っていた。
ふっと微笑んで尊は手を伸ばすと優しく持ち上げ、感じやすい先端に息を吹きかけた。
背筋を快感が走り、きゅっと縮んだ双球が震える。

「隼人……ほら……琉生のここ、こんな風になってるんだ。可愛いだろう?僕らの琉生が大人になって、僕らの手で感じてる。隼人も僕も、ずいぶん待ったな……。」
「ああ。やっとこの日が来た。」

隼人の褐色の身体は筋肉質で引き締まり、琉生には眩しかった。
運動とは縁のないはずの尊も、貧弱な琉生とは違い、薄く筋肉が乗っている。
琉生は思わず、タオルケットを引き寄せ貧弱な体を隠したが、あっさりと二人に奪われた。

くいと指で呼ばれた隼人が膝頭を押さえて足の間に割って入り、言われるままに琉生の内腿に指を這わせた。ゆっくりと確かめるように琉生を見つめたまま、下肢を何度も張り付けた手のひらで上下に撫でる。
隼人の二の腕にぶら下がるようにして、琉生は必死に止めた。

「だっ、駄目。」
「やめる?」
「ううん……でも……そんなことしちゃ、駄目……」
「どうして駄目なんだ?理由を言ってみろ?」
「……やだ。言わない。」
「言わなきゃ、言いたくなにしてやる。」
「……あっ……」
胸を合わせて琉生は喘ぎ啼いた。

「尊兄ちゃん、隼人兄ちゃん……ああっ……っ」
「琉生……」
「琉生。」

いつかの幼い日のように、尊と隼人の心臓の音を聞きながら、意識を手放した琉生は眠りに落ちた。
二人がどこかへ行ってしまわないように、ぎゅっと固く指を握ったまま……微睡みの中で、最初に目を覚ました尊は、目許に薄青い隈をこしらえた琉生の寝顔に目を細めた。
安心しきった弟の肌色は、今はほんのりと色づいて熱を持っていた。
緊張して硬質な磁器のように冷たかった肌も、今は温かい。

疲れ切った琉生の頬に触れて、掛かった髪をかき上げても、ぴくりとも身じろぎもしない。

Posted by: huoyanzhanshi at 06:55 AM | No Comments | Add Comment
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